本記事は自分史活用推進協議会のブログより転載しました。
「幸せの自分史づくり」でひとりでも多くの人を幸せに、と活動を続ける河野初江アドバイザーが、自分史のさまざまな魅力、書くことの意義を紹介します。
今回はその第3弾。
【自分史の元祖】
戦前は、ひと握りの人が書く自伝や自叙伝がほとんどでした。
ところが1975年、歴史学者の色川大吉氏が、名も無き庶民である私たち一人ひとりが「自分史」をもっており、「その人なりの歴史、個人史は、当人にとってかけがえのない“生きた証”である」(『自分史―その理念と試み』色川大吉・著)と説いて、初めて「自分史」という言葉を使いました。
色川さんが言いたかったことは、国や歴史学者が書き起こした歴史がすべてではなくて、その時代に生きた一人ひとりの「自分史」こそ、歴史を形づくるものであり、大事にされなくてはいけないものなのだということでした。
言い換えれば誰もがその時代を生きた主役であり、伝えるべき何かを持っているということを私たちに教えてくれたのです。40年近く経ったいま、ひとりの歴史学者が撒いた種が少しずつ人の心を動かし、自分史の輪が広がっています。
最近、新たに色川さんの本『“元祖”が語る自分史のすべて』が河出書房から出版されました。
その本で色川さんは「自分史はどこから書き始めても良い。書き方も自由で、気楽な気持ちで」と私たちにエールを送ってくれています。